元銀行員が語る地方銀行の通帳レス推進の闇
こんにちわ、元銀行員の稲川と申します。(2か月ぶりの更新です・・・)
今回は最近どこの地方銀行でもよく推進されている通帳レスへの切り替えの推進の闇というものについて語っていこうと思います。皆さんが口座を作成するときや変更するときの一つの参考にしていただけると幸いです。
まず、通帳レスとは何か。
スマホやダイレクトバンキングを利用して、通帳を発行せずに口座開設するというものです。
なぜ銀行は通帳レス化したいのか?
これは、通帳というものが非常にコストのかかるものだからです。
銀行口座を開設するうえで通帳は無料で作られるものですが一冊の通帳におおよそ千円くらいのコストがかかっているはずです。(注文していたので大体それくらいだったはず・・・)
つまり、1口座開設すると銀行は常に1000円マイナスだということです。銀行が通帳を減らしたい理由もこのコストの高さ、を見ればわかりますね。
次にメリットデメリットを見ていきましょう。
通帳レスのメリット
1つ目は、常に口座情報が更新され、記帳なしで常に口座情報が見られることがあります。常に最新の口座情報が見れるのはとても便利ですよね。
2つ目は、通帳がないため紛失や盗難、また繰り越しが必要ではないという点が主なメリットになります。
次にデメリットを紹介していきます。
まず1つ目は口座内の情報が1年程度で見れなくなるというものです。
これは、通帳だと一度記入したものは通帳をなくすまで消えることはありませんが、通帳レスだと1~2年程度の口座の出金入金記録しか残されず、消えた後で口座情報を見たい場合は所定の手数料がかかる仕組みになっています。
2つ目は通帳の再発行に非常に高い手数料がかかるということです。
通帳レス口座で通帳も欲しいとなった場合、一般的にかかるコストとして紛失時にかかる通帳発行手数料というものが必要になってきます。
一般的に1100円程度(高ければ2200円)かかることもあります。
参考までにみずほ銀行の手数料を載せておきます。
ここからが本題です。
なぜ地銀の通帳レス口座作成の推進行為が闇なのか。
通帳レスで語ったメリットは
実は通帳レス口座にしなくてもすべて使えるからです。
どういうことか説明しましょう。
非常に簡単な話ですが通帳レス口座にして、通帳アプリやダイレクトバンキングを入れて、使用し始めるという流れになります。
この際に、通帳アプリやダイレクトバンキングを使う際に通帳レスにすることが必要条件のような説明を銀行からされますが、実際はそんなことなく通帳アプリやダイレクトバンキングは通帳レスにしなくても使用可能なのです。
つまり、銀行は嘘は言ってはいないのですが顧客にとって最善のことも言ってはいないのです。(実際に私の所属銀行では使用可能なことを聞かれるまでは答えないようにというマニュアルもありました。)
皆さん、もし銀行で口座を作る際、通帳レスを推進されたとき銀行員に一言聞いてみましょう。通帳アプリやダイレクトバンキングは通帳レスにしなくても使えますよねと。